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■苺(いちご)の特徴
●甘さと酸っぱさの調和が人気のデザートで、ジャム、ジュース、ケーキなど幅広く利用されています。
●もともとは春を代表する果実でしたが、栽培方法の発達や品種改良により、現在では一年中出まわっています。
●ビタミンCの含有量は果実の中でもナンバーワンで、みかんの2倍もあります。
■苺(いちご)の旬
●かつては春から初夏にかけての果実でしたが、現在は促成栽培や品種の改良などにより通年出回るようになりました。
●出荷量のピークは12月〜4月です。ハウスもののピークは1〜2月で、とよのかは12月〜3月、女峰は1〜3月に最盛期を迎えます。
●6〜10月には、かなりの数の輸入ものが出まわります。
■苺(いちご)の種類
●今日の栽培いちごは、北アメリカのバージニアいちごと南アメリカのチリいちごが、ヨーロッパで改良されて発達したものです。
●いちごの仲間は世界に25種あると言われ、日本にも野生種が2種類あります。
●いちごの品種は、新旧交代が激しく、毎年のように新品種が登場しています。
●現在の主流は、西の「とよのか」と東の「女峰」で、この2品種が人気を二分しています。
●かつては、出荷時期の早さや甘みの強さが重視されましたが、最近では甘み、酸み、香りのバランスがとれたものを求める傾向が強く、色や形の良いものも好まれる傾向にあります。
●はるのか
1967年、農林水産省野菜試験場久留米支場で、「促成2号」と「ダナー」を親に、促成用品種として育成されました。円錐型で大粒、色は鮮赤色ですが、果肉はあまり色づきません。香りがあり、糖度が高く、酸味はやや少ないほうです。果肉はやわらかいのですが、表面は丈夫で輸送性に優れています。
●とよのか
はるのかに変わる食味の良い品種を育成することを目指して、1973年に、農林水産省野菜試験場久留米支場で、「ひみこ」と「はるのか」を交雑して育成され、1984年に登録された品種です。促成栽培に適しており、九州および温暖な地方で栽培されています。円錐形の大粒の実で、色はつやのある鮮やかな赤色、香りも高く、甘味・酸味に富んでいます。果汁が多いので、生食用として人気があります。11〜6月頃に出荷されます。
●女峰(にょほう)
1984年に栃木県農業試験場で、(「はるのか」×「ダナー」)と「麗紅」を組み合わせて育成された、促成栽培用の品種です。栃木を中心に東日本で多く栽培され、西の「とよのか」と天下を二分しています。大粒で、光沢のある淡い赤色をしています。酸味、甘みともに強く、香りよく、果汁も多いので、デザートやケーキの飾りなどに向いています。11月中旬から5月頃まで味わえます。
●アイベリー
1983年に登場した品種です。長い紡鐘形で、いちごの中でも特に大粒で、「いちごの王様」と称されることもあります。一粒40〜50g、中には鶏のたまごほどの大きさのものもあります。色、味ともに良く、形や香りの芸術価値も高いので、ばら売りされたり、贈答用として利用されます。店頭にならぶいちごの中では最も高価な部類です。「アイベリー」の親は企業秘密のために公表されていません。開発した会社は愛知県にあり、この愛知県の「愛」をとって愛ベリーと名付けられたそうです。この名前から、バレンタインデーの贈答用として人気が出てきています。
●宝交早生(ほうこうわせ)
1955年、兵庫県農業試験場で育成された品種です。形は丸みがかった円錐形、色は鮮赤色です、果肉はやややわらかく、強い甘味があります。促成、反促成、抑制の栽培が可能で、うどんこ病にも強いことから、「とよのか」が出るまでは、西の主力品種でした。果肉がやわらかく、長距離輸送に耐えられないことや、店頭での日もちが悪いことから、現在は交配品種として育成されています。
●ダナー
1945年にアメリカカリフォルニア大学で育成され、日本には1950年頃導入されました。大粒で果肉まで赤いのが特徴で、つぶして使う場合に良い色が出ます。甘味はそれほどありませんが、酸みとのバランスが良く、さわやかな味です。果肉がしまっているので輸送しやすく、よく日持ちします。福羽とともに長い間主流品種でしたが、現在は栽培が激減しています。2月下旬から5月下旬まで出まわります。
●福羽(ふくば)
1899年、フランスから導入されたジェネラル・シャンジー(General Chanzy)から、福羽逸人が育成した、日本最初の育成種です。長い紡錘形で、果肉も紅色が鮮やかで美しく、味も良いので、促成栽培の高級品として、1960年代まで栽培されました。その後、育成親として、「麗紅」や「秋香」、「芳玉」などの名品を生んでいます。
●麗紅(れいこう)
「福羽」と「はるのか」の交配で育成された品種です。1976年に発表されました。円錐形の大粒の品種で、つやがある鮮紅色をしています。糖度、酸度ともに高く、香りもよいので、近年栽培量が増えました。1月下旬から6月下旬まで出まわります。
●芳玉(ほうぎょく)
紡鐘形をしていてやや小粒です。甘味が強くてさわやかな酸味があります。
●明宝(めいほう)
粒が大きく、ずんぐりした形をしています。果皮はオレンジがかった紅色で、果肉は白く、上品な香りがします。
●とちおとめ
女峰系の「栃の峰」と「久留米49号」を交配して育成され、1996年に登録された新しい品種です。収量性が高く農家の高い評価を得て、栃木を中心に栽培されています。大きくて甘いものを好むようになってきた消費者の好みにあわせて作られ、酸味が少なく甘みの多い品種として市場の評価も良好で、「女峰」に代わる主要品種になるものとして期待されています。
●章姫(あきひめ)
1985年に「久能早生」と「女峰」を親にして誕生し、1992年に登録された静岡生まれの品種です(育成者は萩原章弘氏)。果実はかなり長い円錐形で、「とよのか」と同ぐらいか、やや大粒です。果皮は鮮紅色、果肉は淡紅色で、糖度は「女峰」並みですが酸度が低く、食味は良好です。
●さちのか
「とよのか」と「アイベリー」を交配して育成された品種で、生産者・消費者に幸あれという意味をこめて、「さちのか」と名づけられました。形は整った長円錐形、色は濃赤で光沢があります。糖度が高く、香りもよく、食味は濃厚でコクが感じられます。急速に普及が進み、これからの主力品種化に期待がかかります。
●久能早生
静岡の久野山の石垣いちごとして有名な品種です。日当たりの良い山の斜面を利用して、石垣(現在はブロック)のあいだにいちごを植えるという独特の栽培方法をとります。酸味がほどよく、ケーキにもよく使われます。10月上旬から出荷されます。また、1〜5月にはいちご狩りで観光客の舌を喜ばせます。
●アスカルビー
奈良県の飛鳥を中心に栽培されています。果肉が、ルビーのように赤く、多汁です。ほどよい酸味があり、若い女性に人気があります。
■苺(いちご)の加工品
●ジャムやゼリー、ジュースなどが一般的です
■苺(いちご)の選び方
●なによりも新鮮なものが第一です。つやがあって、形がくずれておらず、へたがぴんと張っているものを選びましょう。
●パック詰めのものは、パックの底を下から見て、つぶれやいたみがないかをチェックしましょう。
●赤みの強いものは甘い、と一般に言われていますが、品種によってあまり赤く色づかないものもあるので、いちがいに色だけでは判断できません。
●生のまま洗ってまるごと食べるので、できれば無農薬のものを選びましょう。
■苺(いちご)の調理法
●加熱するとビタミンCが失われてしまうので、生で食べるのが一番です。
●洗うといたみやすいので、食べる直前に洗うようにします。
●いちごは表面がでこぼこしているため農薬が残りやすく、そのまま食べる果実ということもあって、残留農薬が心配です。無農薬ものが安心ですが、そうでない場合には、洗う前にボールに入れて、水を流しながら5分ほどつけておきましょう。長時間水につけておくと、ビタミンCが流出してしますのでご注意を。つけておいたいちごは、水からあげてざるに入れ、流水で5回ほどゆすり洗いをすればOKです。
●無農薬のものは水につけずに、ざるに入れて流水で手早く洗うだけでいいでしょう。
●何れの場合でも、必ずへたはつけたままで洗います。へたを取って洗うと、水っぽくなってしまい、水溶性のビタミンCが溶け出て損なわれてしまいます。表面の農薬が切り口から入ってくる危険性もあります。
●いたみかけたいちごをおいしく食べる方法
ボウルに1/4〜1/3の水を入れ、レモンを1個しぼります。このレモン水のなかにいちごを入れ、ボウルを前後にふり、転がすように洗います。こうすると、いたんだいちごの細胞がレモン水の酸で引き締まり、リフレッシュされます。
●簡単いちごジャムの作り方
電子レンジを使ったいちごジャムの作り方を紹介します。鍋で作ると色あせてしまったりするのですが、電子レンジだと色ばかりでなく、香りや味の成分も失われません。
- いちごを洗ってへたを取ります。
- 1を深めの電子レンジ用容器に入れ、砂糖とレモン汁を入れます。
- 電子レンジで18〜20分加熱します。途中1〜2度かき混ぜると加熱ムラができずにおいしくできあがります。
■苺(いちご)の保存法
●買ってきたら、いたみをチェックして、浅めのパッドなどに移しかえます。重ねるといたみやすいので、重ねないでへたの方を下にして一段に並べ、ふたやラップをして冷蔵庫で保存します。3日ぐらいもちます。
●へたを取ると、そこから水分が蒸発してしまい、いたみやすいので、へたはつけたままにしておきます。
●洗ったり、水につけたりすると、かびや腐敗の原因となりやすいので、洗うのは食べる直前にします。
●すぐに食べないときや、大量に手に入った場合には、冷凍保存したおくのが良いでしょう。
●いちごの冷凍保存
よく洗ってへたを取り、水気をふきとったあと、砂糖をまぶして、密閉容器かファスナー付きのビニール袋に入れて冷凍します。また、ピューレ状にしたり、煮てソースやジャムにしても冷凍できます。
●冷凍いちごの食べ方
- 解凍せずにそのままシャーベット感覚で。
- 半解凍状態で牛乳をかけて、いちごミルクに。
- 凍ったままミキサーに入れ、牛乳を加えて混ぜると、いちごシェイクに。
■苺(いちご)の栄養・効能
●ビタミンCの宝庫
果実の中でもっとも多くのビタミンCを含んでいます。生のまま食べるので、ビタミンCの損失も少なく、効率良くビタミンCが摂取できます。成人1日のビタミンC所用量は約100mgですが、これは大粒のいちごなら6〜8粒でまかなえる量です。
●風邪の予防に
ビタミンCは粘膜の抵抗力を強くして、風邪を予防し、また治りやすくします。
●肌の老化をふせぐ
ビタミンCは、肌の新陳代謝を高め、メラニン色素をできにくくするはたらきがあるので、しみ、そばかす、ふきでものなど、肌にトラブルのある人にはおすすめの食材です。
●皮膚や血管、粘膜を強くする
ビタミンCは細胞の結合組織であるコラーゲンの合成を促し、血管や軟骨、筋肉を丈夫にします。そのため、術後の回復にも大きく貢献します。さらに歯ぐきなどの粘膜を丈夫にするので、歯槽膿漏(しそうのうろう)の予防に役だってくれます。
●ストレス対策として
ストレスを受けると、ビタミンCが体内で大量に消費されるので、いちごを食べることは、その補給のために効果的です。ビタミンCを十分にとると、副腎皮質ホルモンの分泌が盛んになり、肉体的、精神的ストレスに負けないからだが形成されます。
●愛煙家に
タバコを1本吸うと、ビタミンCは25mg破壊されます。たばこを良く吸う人は、いちごをたくさんたべると良いでしょう。
●疲労回復に
ビタミンCは新陳代謝を活発にし、疲労回復に効果があります。また、いちごの酸味はクエン酸やリンゴ酸ですが、これらは体内の疲労物質の分解を促進し、疲れを早く取る効果があります。
●高血圧の予防に
カリウムが多くナトリウムが少ないので、高血圧の予防によいでしょう。
●便秘のときに
いちごにはペクチンなどの食物繊維が多く含まれ、100g当たりの含有量は、バナナと同等、柑橘類の2倍です。したがって、便秘に効果があり、老廃物の排出を高めて、コレステロール値を下げるはたらきがあります。ヨーグルトと一緒にとると、さらに効果的でしょう。
●抗ガン作用
いちごの赤い色はアントシアニンという色素の色で、この成分には発ガンを抑える作用があります。
■苺(いちご)の民間療法
●乳液として
いちごのしぼり汁と牛乳を混ぜると効果的な乳液になり、肌の汚れやあぶらを落として、肌をさっぱりとします。
●うおのめをとる
いちごの葉を塩でもんで、1日数回患部に塗ると、うおのめがとれるそうです
●風邪の予防にいちご酒を
- いちご200gを洗い、へたをとります。
- 1にグラニュー糖100g、ホワイトリカー500cc、レモンの輪切り2〜3枚を加えます。
- 2を電子レンジ用の容器に入れて電子レンジで4〜5分温めます。
- そのまま冷まして3〜4日おくと完成です。お湯や水で割って飲んでください。
■苺(いちご)の歴史・由来
●現在の栽培いちごは、北米東部と南米チリが原産地です。北米のバージニアいちごと、南アメリカのチリいちごが、別々のルートでヨーロッパに伝えられ、17世紀中頃、これらを交配して栽培種の原型が生まれました。
●その後イギリスやフランスで品種改良されて、18世紀後半には、アメリカなど全世界に広まりました。
●日本には、江戸時代末期にオランダ人によって持ちこまれたといわれています。「オランダいちご」と呼ばれるのはこのためです。あのシーボルトも妻のタキと食べたと伝えられています。けれども、いちごの色が血の色を連想させるために、当時はあまり普及しませんでした。
●日本で本格的に導入されたのは、明治時代に入ってからで、1899年、日本で初めて「福羽」が育成されました。
●1960年代までは春に食べる季節の果実でしたが、その後、品種改良や栽培方法の変化が進み、ほとんど周年手に入るようになり、消費が飛躍的に急増しました。
■苺(いちご)の豆知識
●いちごの名前の由来[英語編]
英語のstrawberryという呼び名は、苗の周りにわら(straw)をしくという栽培方法に由来するという説や、わらのように水を吸うところから名づけられたという説などがあります。
●いちごの名前の由来[日本語編]
野生の木いちごが「魚(いお)の血のある子のごとし」といわれたことから、魚の[い]、血の[ち]、子のごとしの[こ]をとっていちごと呼ぶようになったといわれています。また、1〜5月に収穫されることからいちごといわれるようになったという冗談のような説もあります。
●いちごの名前の由来[漢字編]
「苺」という漢字は、乳首のような実がなる、という意味合いからきています。
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